認知症について、家族が理解しておく必要があります。
本人が、「自分は認知症だ」と思っている場合は、その本人はおそらく認知症ではないでしょう。
認知症を「物忘れ」と捉えても問題はないのですが、正しく理解しているとは言えません。家族が認知症で、いろいろな問題が生じている場合に、「物忘れ」として解決することはできないでしょうし、適切な対応をとることもむつかしいと思われます。
認知症でない人が認知症を理解することはむつかしいでしょうし、仮に家族に認知症と診断された人がいても、認知症を正確に理解しているとは限りません。では、認知症を理解するために、まず、「お酒を飲んで、その時の記憶がない」という場面を想像してください。お酒を飲む人であれば、1回くらいは経験があるかもしれません。お酒の席で、飲み過ぎてしまい、その時のことを思い出せない、という場面です。次の日、「あんなことを言った」と同席していた人から言われるかもしれませんが、本人は何も覚えていないのですから、何ともしようがないでしょう。
これが認知症の「物忘れ」と近いと考えていいでしょう。認知症の人は、忘れていることに何の罪悪感(?)はありませんし、話したことや行動についての記憶がありません。